Architecture Componentを触ってみた
とりあえず軽く触ってみた。
Google IOの動画はとりあえず2つ見てみた。
最初のやつは「こんなん作ったでー」という話で、2つ目がその中身を説明っていう感じなので、時間がないなら2つ目だけ見ればいいんじゃないかなと思う。全部英語なので、私の英語力では雰囲気しかわからず時間対効果はあまり良くなかった気がしている。
3つ目もあるのだけど、これはまだ見れていない。タイトルから見るとRoomについての説明なのだろうか。
個人的にArchitecture Componentで気になっていたのは、いかにActivityのライフサイクルに振り回されなくてすむようにできるかという部分だ。つまり、LifecycleOwner
とLiveData
とViewModel
についてである。とりあえずその観点で言うと、最初にあげたcodelabを触れば、雰囲気はわかった。2つ目の動画でだいたいスタンスがわかったような気がしている。
たぶん2つ目の動画で話していたと思うのだけど、このArchitecture Componentはすでに個々の開発者がそれぞれの工夫でActivityなどのライフサイクルによる呪縛を回避している手段を置き換えるためのものではないという話が、個人的にはしっくり来た。すでにライフサイクルとの付き合い方がうまくできている人は、別にそれでいいと。
ただ、Androidをこれから学ぼうとする人にとっては、Android特有のライフサイクルにまつわるあれこれは、学習していく上でつまづきやすいポイントで、さらにそれを回避するためのライブラリの使い方を学ぼうとすると余計にややこしくなってしまう。そこで、これからAndroidを学んでいく人にとって、とっつきやすいシンプルな仕組みを用意したよ、というのがArchitecture Componentということらしい。
私は最近ではDaggerやRxJavaを使って、Activityにはデータを持たせない、単に表示するだけのものとして扱うようにしてアプリを作るようにしている。そういった方法ですでにうまいこと回せているなら、無理して移行する必要はないのだろう。すでにうまいことやっている人にとっては、ちょっと触れば雰囲気がつかめるだろうから、とりあえずcodelabだけ触って雰囲気を掴んでおいて、1.0が出るのを待つくらいのスタンスでいいんじゃないかなと思う。
以下は触ってみた感想。
ざっくりした理解で言うと、ActivityとかFragmentとかServiceとか、Android特有のライフサイクルをもってるオブジェクトのことという認識でいる。
LiveDataの購読を行う際に引数に指定してやったり、ViewModelの生成・取得を行う際に引数に渡したりするのに出てくる。
LiveDataの購読に関しては、LifecycleOwner(Activityとか)のライフサイクルにあわせて自動的に購読解除してくれるらしい。つまり、いちいち自分でunsubscribe/dispose
とかしたりしなくていいっていうこと。
またActivity等のライフサイクルにあわせた処理を行うのに利用したりできるっぽい。(codelabではLocationManagerから位置情報を受け取るクラスを作って、Activityのライフサイクルにあわせてセンサーの登録と解除を行うのに使っていた)
UIに表示したりする実際のデータ。DataBindingでいうObservable<Hoge>
みたいなものだし、RxJavaでいうObservable<Hoge>
みたいなもの。
その実態は最新の値を保持してよしなに通知してくれるデータホルダー。RxJavaみたいなストリームではないよということだ。またスレッドの概念も持ってないので、バックグラウンドで処理してメインスレッドで通知みたいなことはしない。
LiveDataの更新はメインスレッドでないとできないみたいで、別スレッドからLiveData.setValue()
したら落ちた。別スレッドから値を更新したい場合は、postValue()
を使うらしい。
ActivityなどのViewは、このLiveDataを購読して、変更を受け取ったらUIを更新することだけ考えるような作りにするのが良いのだろう。
RxJavaでいうBehaviorSubjectみたいな動きをするなぁという印象を持った。
画面回転してもライフサイクルが継続してくれるもの。これが最初からあればAndroidアプリ開発はもっと楽になっていただろうと思う。
今までActivityにもたせていた状態やロジックを、全部こっちに持ってくればうまいことできると思う。
Activity.finish()
を呼び出したらViewModelのライフサイクルも終了する(ViewModel::onCleard()
が呼び出される)。
画面を回転させた場合はそのまま以前の状態を引き継いだものが、再生成されたActivityに渡ってくる。ただ、あくまでonConfigurationChange
で破棄されないだけなので、ホーム画面に一度移動した後にOSによって終了されたりした場合(Activityを保持しないが有効になってたりした場合)はViewModelのライフサイクルも終了してしまう。
データの永続化は別途考えないといけない。
RxJavaなどの知識を持っているからか、割りとすんなり使えそうな気がしている。
それを抜きにしてもそんなにややこしくないと思うので、Androidをこれから学ぼうという人はとりあえずArchitecture Componentの使い方を学ぶと、シュッと入門できていいんじゃないだろうか。
触る前は「なんかいろいろあってややこしそうだな」とか思っていたのだが、触ってみると思いの外それぞれ独立していて、使いたいコンポーネントだけ利用すればいいという意味がよくわかった。
私個人としては、ViewModelはすぐにでも使いたい。Daggerを使って似たようなことをやっていたけれども、ViewModelを使うほうが楽だ。LiveDataはもうちょっと調べて、DataBindingとの組み合わせ方を掴んだら置き換えるかもしれない。